大判例

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東京高等裁判所 昭和53年(ネ)1493号・昭53年(ネ)1575号 判決

1 第一審原告は、昭和四五年から同四六年にかけて第一審被告から商業用光電式はかり(以下、電子はかりという。)の部品として検出器合計約二五〇台を買入れたうえ、右検出器に自社で開発製作した演算器を組合せた電子はかり用電気部品を製作し、これを使用して、「桂」という商品名の電子はかりを製作して市販したほか、昭和四六年六月から同年一〇月ころまでの間、ベンハーに対し右電気部品一〇〇台を売り渡した。

2 ベンハーは、第一審原告から仕入れた右電気部品を計量機構に組合せ、これを収納ケースに組込んで電子はかりを製作し、「金華」という商品名を付して市販していたが、さらに市場性の高い改良電子はかりの製作発売を企画すると共に、これを機会に、第一審原告の供給する右電気部品が高価であるばかりでなく、その供給も不安定であることから、右電気部品の仕入先を、企業規模がより大きく取引上の信用度もより高い第一審被告に替えることとし、同年一〇月初めころ第一審被告に対し、単価設定方式をフルキー式からテンキー式に変え、基板の寸法を縮小した、従前第一審原告が製作していたものとは仕様の異なる演算器に検出器を組合せた電気部品二〇〇台の納入を依頼し、その承諾を得た。

3 第一審被告は、ベンハー指定の仕様に従った右電気部品の製作を第一審原告に行わせることとし、同じころ第一審原告に対し、まず試作品二台の製作を依頼したうえ、同年一一月中旬第一審被告との間において、毎月約三〇台宛合計二〇〇台の予定で、第一審原告は、第一審被告の支給する検出器に第一審原告の製作する前記仕様に従った演算器を組合せて本件部品を製作し、第一審被告は、その都度注文書を発行して注文することとし、単価を一台六万七〇〇〇円とする旨合意した(台数の点を除いては、当事者間に争いがない。)。

4 第一審被告は、右合意に基づき、直ちに、納期を同年一二月五日として本件部品三〇台を発注して、前記試作品二台と右三〇台とについて、各別に、発注日付をいずれも同年一一月一〇日とする注文書を第一審原告に発行し(原判決添付別表番号1及び2の発注)、その後、更に、第一審原告に対し、右別表番号3ないし11の各発注年月日欄記載の日付の注文書を順次発行して、右番号3ないし11の各数量欄記載の数量並びに各単価及び代金欄記載の金額(番号7以降、単価は改訂された。この点については、当事者間に争いがない。)の本件部品を注文し、右発注に応じ逐次検出器を支給した。

5 第一審被告は、右各発注に当り、その都度それぞれ注文書において納期を指定した。また、同表番号8ないし11の発注は、同表番号7の発注以来発注が途絶え、取引中止の不安を感じた第一審原告から、予定数量の未発注分について強く発注を要請されたため、一括して発注したものであるが、納期については、それぞれの数量に応じ各別に指定した。

右認定事実によれば、本件部品に関する契約は売買ではなく請負であり、また、右契約は、第一審原告主張のように、当初から二〇〇台全部について成立したものではなく、各注文書の発行による注文の都度各別に成立したものと認めるのが相当である。

(田宮 新田 真栄田)

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